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2008/07/15 (Tue)22:24
一護ハッピーバースデーvv
誕生日おめでとう!!

いい加減更新しなきゃ、とおもいつつ、全然すすんでいません。
テストなんて嫌いだー

誕生日だということを先週知りました。
あっはっは、ごめん。
本館のジャンルって平安なので誕生日とかまったく関係ないので書かないんですよね。
でもやっぱ現代話は書かないと、と思って、なんとか書き上げました。
やっぱり長編設定ですが、許してくださいませ。
ということで小話をここであっぷしておきます。

※ちょこっと、BLっぽくみえますが、そのつもりは全然ありません


夢を見る。遠い遠い昔の夢を
――君、おめでとう
って一体いくつになったと思ってやがる。祝われてうれしい年じゃねぇっての
まぁまぁいいじゃないか。祝われることはいいことだよ
誕生日は生まれてきたことに感謝する日だ。回りがな
そうそう、生まれてきてくれてありがとう
……さんきゅ

お誕生日おめでとう
ありがとう。母さんまたホールケーキ? チョコレート好きだけどさ、三人でホールは無理じゃねえ?
せっかく母さんが作ってくれたものに文句をいうか!? なら寄越せ!!
冗談言うな、これは俺が貰ったんだ、誰が親父になんてやるか!!
こらこら、喧嘩してないで、切るわよ
幸せだったあのころの夢を

 

「いただきます」
上機嫌な声とともに織姫は持っていた箱を開けた。
その中身を見たたつきは戸惑う声を上げる。
「……織姫。ちょっと待ちなさい」
「ふえ?」
目をぱちくりとして織姫は首を傾げる。
「どしたのたつきちゃん」
たつきだけでなく遊子も夏梨も織姫のあけた箱の中を覗き込んだ。
「これ、何?」
「何って分かんない?」
夏梨の声に織姫は当たり前のように声を発する。
「ケーキだよね」
遊子は若干困惑したように尋ねる、もとい確認した。
織姫の持ってきたお昼の箱。
それはどうみてもケーキ屋の箱で、中には案の定ケーキが入っていた。
しかもホール。
周りの女の子たちが引きつった顔で覗き込む。
ケーキは大好きだ、甘いものも大好物。けれどそれは女の子にとって天敵でもあるのだ。
「織姫、いくらあんたが太らない体質だからっていっても、ホールケーキはないでしょう」
あきれたようにたつきは額に手をやる。
「うーん。だって今日はどうしてもケーキが食べたくて。思わず買っちゃったの」
にっこりと笑う織姫に回りは何もいえなかった。

「あれ?チャド、に石田?」
遊子に付き合ってスーパーに寄ると、見慣れた服装の二人。
「黒崎。買い物か?」
「そう。なんかめずらしい組み合わせじゃん」
「お互いに一人暮らしだからね。たまに一緒に食事するんだ」
「なるほど。経済的だね。何買うの?」
手元にあるカゴの中を覗き込む。
いくつかの野菜と牛肉、何にでもできる材料がそこにあった。
「ケーキ?」
その中にあった異質なものに目を留める。
「ああ、それ? 今日井上さんが食べてたのを見て食べたくなってね」
クスリと笑うように石田がめがねを押し上げる。
夏梨は昼間のことを思い出し、うえ、と小さくうめいた。
「あたしは胸焼けしそうだよ」
「そうだろうね。僕らもホールは遠慮したい」
それにチャドも笑う。
「夏梨ちゃん」
遠くで遊子が呼んでいるのに気がついて、夏梨は二人に背を向ける。
「じゃあね。また明日」
「ああ」
「うん」
その場を後にした。

「で、何これ」
晩御飯のあと、父親がうきうきとして取り出したものをみて夏梨は顔を引きつらせる。
「何ってケーキだぞ。今日は奮発しちゃった」
笑う父親がうっとうしくて思わず殴る。
痛いと嘆く父親にため息を尽き、包丁を持ってきた遊子は苦笑した。
ホールのチョコレートケーキ。
織姫が昼間に食べて、石田とチャドがデザートとして買っていたもの。
今日はとことんケーキに縁がある日だ。
「誰かの誕生日だったっけ?」
呟いた声に父親は豪快に笑う。
「毎日誰かの誕生日なのは確かだな」
「言葉遊びをしたいわけじゃないんだけど」
「もう、夏梨ちゃんもお父さんもやめてよね。ほら切ったよ」
ケーキを前に睨みあっている二人に遊子が怒る。
遊子を本気で怒らせると家事をいっさいしなくなるので二人はそこでやめる。
ホールを六等分した遊子はそのうちの一つを母親の前に置く。
「ホールとか買ってきても食べらんないっていってるのに、ね、お母さん」
手を合わせてそんなことを言う遊子に父親はただ笑う。


深夜、真咲の遺影の前のケーキにもう一つケーキが置かれた。
「一体いくつになったんだ?」
それさえも覚えていない昔の話。
けれどけして忘れることのできない数百年前の今日。
自分たちのただ一人の息子へ捧げる数少ない言葉。
「おめでとう」
そして
――どうか幸せに
自嘲気味に笑う一心にただ月が二つのケーキを照らし出した。 



『どうした? めずらしくこんなところまで来て』
現世のビル街が縦横でたらめに延びる世界。
己の精神世界にやってきたらもう一人の自分が声をかけてきた。
「ちょっとな」
今日は誰とも関わりたくない。
そう思ってやってきたのだが、ここにもう一人いることを失念していた。
否、彼に会いたかったのかもしれない
『誰かが祝ってるぜ』
その言葉に顔を上げる。
目の前には自分そっくりな顔。
拒絶しようとして仕切れなかった己の半身。
それが笑う。
『誰かが祝ってる。お前が生まれてきた日を』
びくりと反応した顔が困惑に彩られる。
「本当か?」
『ああ。少なくとも四人。いや、四人全員か』
「覚えてなんていなくていいのに」
そういって笑う。
四人のうちこの日の意味を知っているのは一人だけ。
それがありがたく、そして同時に彼らを今も捉えている己の存在に申し訳なく思う。
夢を見た。遠い遠い昔の夢。
幸せだった昔の夢。
還れるならば還りたい。
けれど無理だとしっている。
『覚えていたいんだろ。お前の誕生日だ』
「お前も?」
悪戯っぽく問いかけると、『当然』と返ってきて驚く。
そのまま体を引き寄せられる。
半身の腕の中でほっと息をつく。
耳元で囁かれた言葉。
『誕生日おめでとう』
生きていてくれてありがとう。
これからも生きていて。
いつか会うその日まで。




誕生日なのにシリアスっぽい。
最初一護がでてこなかったっていうひどい話。
まだルキアに会ってないころの話です。
ご覧頂きありがとうございました。

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