解説
2010/09/18 (Sat)01:35
サイト触る時間がないのでこちらで。
見本は夕方までに追記で載せます。
漆黒華の宴c-07
≒様と合同。
新刊
・さよならさよならさよなら(24×24)
P84/文庫/R指定/¥700
※山とオリキャラのエロシーンを示す描写あり。
・人魚姫(24×24♀)
P82/文庫/♀獄/¥700
・むっつ!(18×12♀)
P10~/コピー/♀獄/¥100
※絶賛原稿中
・小話付きペーパー
※ペーパーラリー参加
新刊は合計1500になります。
寄稿
・ファストフード合同誌
C-05の甘言蜜語様にて
・山獄♀アンソロ
C-01のApricot Lovers様にて
・color&秋雨前線様合同誌
c-08の言葉雨様にて
発行されております。詳しくは各サイト様にて。
既刊
・女王様に口づけを
A5/♀獄、♀G/R指定/¥500
・幼恋(24×14♀)
A5/♀獄/¥300
・政略結婚(24×24♀)
A5/♀獄/¥300
・陥落(14×14♀)
A5/♀獄/R指定/¥200
※陥落は一応ありますが部数が片手ほどしかないので割愛。机上になければありません。再版もなしです。
女王様に~は買ってくださった方から順に5月のイベントで配布した小話付きペーパーを差し上げます。
ペーパーラリーとは関係ないものですので、お気を付けください。
見本は夕方までに追記で載せます。
漆黒華の宴c-07
≒様と合同。
新刊
・さよならさよならさよなら(24×24)
P84/文庫/R指定/¥700
※山とオリキャラのエロシーンを示す描写あり。
・人魚姫(24×24♀)
P82/文庫/♀獄/¥700
・むっつ!(18×12♀)
P10~/コピー/♀獄/¥100
※絶賛原稿中
・小話付きペーパー
※ペーパーラリー参加
新刊は合計1500になります。
寄稿
・ファストフード合同誌
C-05の甘言蜜語様にて
・山獄♀アンソロ
C-01のApricot Lovers様にて
・color&秋雨前線様合同誌
c-08の言葉雨様にて
発行されております。詳しくは各サイト様にて。
既刊
・女王様に口づけを
A5/♀獄、♀G/R指定/¥500
・幼恋(24×14♀)
A5/♀獄/¥300
・政略結婚(24×24♀)
A5/♀獄/¥300
・陥落(14×14♀)
A5/♀獄/R指定/¥200
※陥落は一応ありますが部数が片手ほどしかないので割愛。机上になければありません。再版もなしです。
女王様に~は買ってくださった方から順に5月のイベントで配布した小話付きペーパーを差し上げます。
ペーパーラリーとは関係ないものですので、お気を付けください。
さよなら さよなら さよなら
自分のアパルトメントについたとき、自分の部屋から灯りが洩れているのを確認した瞬間、安堵と同時に恐怖を覚えた。でも他に行く場所も思い当たらなくて、気がついたら部屋の扉をあけていた。
家に帰れば山本がいた。山本も自分の部屋を持っている。けれど俺の家にいるのは付き合う前から山本が入り浸っていたからだ。好きだと言う割には何もしないで傍にいる。そんな山本に絆されたわけではない。けして。
多分俺が家に全然帰っていないと十代目に告げたのは山本だろう。いつも俺が十代目からみえないところで無茶をすると十代目に伝えてそれをとめる。昔はムカついて告げ口される度につっかかって喧嘩してたけど、今は自分が倒れては意味がないと山本が止めるまで仕事をするのが俺の基準になっていた。多分山本は俺よりも俺のことを熟知している。
山本はいつも自分が座っているソファの隅に腰掛けていた。山本が殺風景な俺の部屋にといつの間にか買ってきた柔らかいソファだ。モノトーンでそろえる俺の家具の中でオレンジ色のソファは異質な色をしているが、嫌だと思ったことはない。それはいつもの光景だったけど、どこか遠くに感じる。
「獄寺」
と山本が俺を呼んで、隣に座るように示した。俺に向けた表情が硬い。なんだか傍によりたくなくて、俺は向かいに立つ。逃げたいと思ったときだった。
「別れよう。俺、もう疲れた」
俺の優秀な脳が、その言葉を理解するまでにずいぶん時間を要した。何か言われるだろうとは思っていた。思っていたけど別れよう、って言葉は予想外で。否。分かっていたのかもしれない。やっぱり、と心のどこかで思っていたけれど、口から出た言葉は正反対のものだった。
「……なん、で」
ようやく零れたのはそんな言葉で、自分は思ったよりも山本に依存しているのだと思い知らされる。引き留めたいのに、そのために山本の目を見れば、それは不可能だと長年の付き合いから読みとれた。それほど山本の目は真剣だったのだ。
山本のこんな真剣な目は、山本が野球をやめると言ったときと、俺を好きだと言ったときくらいしか知らない。それほど重症なときにする目だった。
そしてそんな目を今されている、ということは、山本にとって、俺と別れたいという言葉がなによりも真剣だということに他ならない。
足元がガラガラと崩れ落ちる音がした。
「ごめん。俺、もう、お前と付き合っていけない」
俺の擦れた問いかけに答えることはなく、山本は俺に決定事項をつきつける。この状況で俺の返事なんてひとつしかない。
――――
P9~11より抜粋
P84/R指定/文庫/帯付/¥700
獄寺に別れを告げた山本と、四日間の休み。
人魚姫(にょた)
車の独特の音が耳に響く。傍にいた同盟ファミリーの幹部の娘が悲鳴を上げたのが聞こえた。ああ、俺轢かれたのか、と山本が実感したときには、全身に痛みを感じて呻くことすらも難しかった。
『タケシ、タケシ!!』
――煩い
キンキンする声が耳についた。
山本の名前を呼んでいるようだが、それはただ煩わしいだけだった。聞きたいのはそんな甲高い声ではない。
ではどんな声が聞きたいのか。鈍い痛みに邪魔されて分からない。
痛みで視界が真っ赤に染まる。痛む傷を押して目を開けても、先ほどまでいた大通りの町並みが見当たらない。
必死で顔を上げようとした山本は、突然暗闇に放り出された。さっきまで大通りのカフェに向かっていたのに、その場は真っ暗で、昼間の青い空は見えない。
――ここ、どこだ。
思考はまったく働いていない。普通ならば警戒態勢に入るのに、体中に走る痛みに指一本動かせなかった。
《――なさい》
――なんだ。
《此処に来た理由を》
視線をゆっくりと巡らせると、辺りには何もない。意識を失ったのか、と考えたけれど、違うと思った。根拠なんてないけれど。
《忘れてしまいなさい》
ぽぅ、と山本の周りに焔が灯った。自分が纏う青い色ではない。それは、まるで……。
『約束な』
消え行く意識の中で、最後までその言葉が離れなかった。
「フィラ、山本は!!」
知らせを受けた綱吉が、獄寺、クロームを伴ってボンゴレの息がかかっている病室にやってきたのは、日が暮れてからだった。扉の前には山本の副官が控えていて、二人の姿を見ると頭をさげる。
「山本さんは、命に別状はありません。ただ」
命に別状はない、との言葉に二人はホッと胸を撫で下ろす。しかし、口ごもったフィラの様子に、何かあったのだと二人の表情は再び険しくなった。
「何があったんだ」
獄寺が鋭い視線を飛ばすが、フィラは言い難そうに後ろの病室に視線を向けた。
それにつられるように視線を向けた綱吉と獄寺は、近づいてきた人の気配に一歩下がる。
「ああ、ドンボンゴレ」
ゆっくりと閉じられた扉が開かれて、一人の女性が顔を出した。その女性を見て、綱吉は優雅に礼をとる。
「ヴェニア嬢、この度はご迷惑をお掛けしまして」
綱吉と獄寺は表情を取り繕った。同盟ファミリーの幹部の娘であるヴェニアが、今回山本が事件にあった現場に出くわしたのだ。病院に運んでくれたのも彼女で、現場にいたからか、迎えが来ても帰ろうとはしなかったらしい。
「いいえドンボンゴレ。……あのタケシが気がつきました」
「ああ、本当に貴女には頭が上がりません。なんとお礼を言えばいいのか」
「あの、お話を聞きたいとお聞きしましたが」
「ええ。事故のことを。ですが、今日はもうお帰りになられたほうがいい。もし何かあったときにはこちらに連絡を」
獄寺が綱吉の言葉に名刺を差し出す。その名刺をヴェニアは受け取る。綱吉の後ろにはさきほど到着したヴェニアの迎えが待っていた。
「ええ。では私はこれで」
ヴェニアが一歩引いて病室内に綱吉を通す。そのまま礼をとって彼女が退室すると、綱吉はほっと肩の力を抜いた。
病室の真っ白なベットには一人の男が横たわっていた。
中学時代よりも精悍な体躯。鍛えていることがわかるその体は、今は白い病院用衣服を着せられていた。
綱吉を見つけた山本は、不安そうな顔をパッと輝かせた。
「ツナ?」
けれど、それは一瞬。再び不安そうな表情をした山本は綱吉の名前を呼ぶ。
「山本? 大丈夫?」
「まったく、ふらふらしてたからだろうが。出かけるなら護衛くらい……」
ぶつぶつと獄寺が言いながらも、ほっとした表情をしたときだった。山本のまとう雰囲気が変わった。獄寺もそれを感じて言葉を止める。山本は不安そうな表情はそのままに、戸惑うような声を空気中に落とした。
「えっと、だれ?」
――――
P5~9より抜粋
♀獄/P82/文庫/\700
記憶を失った山本。夢に出てくる人間は誰だ。
自分のアパルトメントについたとき、自分の部屋から灯りが洩れているのを確認した瞬間、安堵と同時に恐怖を覚えた。でも他に行く場所も思い当たらなくて、気がついたら部屋の扉をあけていた。
家に帰れば山本がいた。山本も自分の部屋を持っている。けれど俺の家にいるのは付き合う前から山本が入り浸っていたからだ。好きだと言う割には何もしないで傍にいる。そんな山本に絆されたわけではない。けして。
多分俺が家に全然帰っていないと十代目に告げたのは山本だろう。いつも俺が十代目からみえないところで無茶をすると十代目に伝えてそれをとめる。昔はムカついて告げ口される度につっかかって喧嘩してたけど、今は自分が倒れては意味がないと山本が止めるまで仕事をするのが俺の基準になっていた。多分山本は俺よりも俺のことを熟知している。
山本はいつも自分が座っているソファの隅に腰掛けていた。山本が殺風景な俺の部屋にといつの間にか買ってきた柔らかいソファだ。モノトーンでそろえる俺の家具の中でオレンジ色のソファは異質な色をしているが、嫌だと思ったことはない。それはいつもの光景だったけど、どこか遠くに感じる。
「獄寺」
と山本が俺を呼んで、隣に座るように示した。俺に向けた表情が硬い。なんだか傍によりたくなくて、俺は向かいに立つ。逃げたいと思ったときだった。
「別れよう。俺、もう疲れた」
俺の優秀な脳が、その言葉を理解するまでにずいぶん時間を要した。何か言われるだろうとは思っていた。思っていたけど別れよう、って言葉は予想外で。否。分かっていたのかもしれない。やっぱり、と心のどこかで思っていたけれど、口から出た言葉は正反対のものだった。
「……なん、で」
ようやく零れたのはそんな言葉で、自分は思ったよりも山本に依存しているのだと思い知らされる。引き留めたいのに、そのために山本の目を見れば、それは不可能だと長年の付き合いから読みとれた。それほど山本の目は真剣だったのだ。
山本のこんな真剣な目は、山本が野球をやめると言ったときと、俺を好きだと言ったときくらいしか知らない。それほど重症なときにする目だった。
そしてそんな目を今されている、ということは、山本にとって、俺と別れたいという言葉がなによりも真剣だということに他ならない。
足元がガラガラと崩れ落ちる音がした。
「ごめん。俺、もう、お前と付き合っていけない」
俺の擦れた問いかけに答えることはなく、山本は俺に決定事項をつきつける。この状況で俺の返事なんてひとつしかない。
――――
P9~11より抜粋
P84/R指定/文庫/帯付/¥700
獄寺に別れを告げた山本と、四日間の休み。
人魚姫(にょた)
車の独特の音が耳に響く。傍にいた同盟ファミリーの幹部の娘が悲鳴を上げたのが聞こえた。ああ、俺轢かれたのか、と山本が実感したときには、全身に痛みを感じて呻くことすらも難しかった。
『タケシ、タケシ!!』
――煩い
キンキンする声が耳についた。
山本の名前を呼んでいるようだが、それはただ煩わしいだけだった。聞きたいのはそんな甲高い声ではない。
ではどんな声が聞きたいのか。鈍い痛みに邪魔されて分からない。
痛みで視界が真っ赤に染まる。痛む傷を押して目を開けても、先ほどまでいた大通りの町並みが見当たらない。
必死で顔を上げようとした山本は、突然暗闇に放り出された。さっきまで大通りのカフェに向かっていたのに、その場は真っ暗で、昼間の青い空は見えない。
――ここ、どこだ。
思考はまったく働いていない。普通ならば警戒態勢に入るのに、体中に走る痛みに指一本動かせなかった。
《――なさい》
――なんだ。
《此処に来た理由を》
視線をゆっくりと巡らせると、辺りには何もない。意識を失ったのか、と考えたけれど、違うと思った。根拠なんてないけれど。
《忘れてしまいなさい》
ぽぅ、と山本の周りに焔が灯った。自分が纏う青い色ではない。それは、まるで……。
『約束な』
消え行く意識の中で、最後までその言葉が離れなかった。
「フィラ、山本は!!」
知らせを受けた綱吉が、獄寺、クロームを伴ってボンゴレの息がかかっている病室にやってきたのは、日が暮れてからだった。扉の前には山本の副官が控えていて、二人の姿を見ると頭をさげる。
「山本さんは、命に別状はありません。ただ」
命に別状はない、との言葉に二人はホッと胸を撫で下ろす。しかし、口ごもったフィラの様子に、何かあったのだと二人の表情は再び険しくなった。
「何があったんだ」
獄寺が鋭い視線を飛ばすが、フィラは言い難そうに後ろの病室に視線を向けた。
それにつられるように視線を向けた綱吉と獄寺は、近づいてきた人の気配に一歩下がる。
「ああ、ドンボンゴレ」
ゆっくりと閉じられた扉が開かれて、一人の女性が顔を出した。その女性を見て、綱吉は優雅に礼をとる。
「ヴェニア嬢、この度はご迷惑をお掛けしまして」
綱吉と獄寺は表情を取り繕った。同盟ファミリーの幹部の娘であるヴェニアが、今回山本が事件にあった現場に出くわしたのだ。病院に運んでくれたのも彼女で、現場にいたからか、迎えが来ても帰ろうとはしなかったらしい。
「いいえドンボンゴレ。……あのタケシが気がつきました」
「ああ、本当に貴女には頭が上がりません。なんとお礼を言えばいいのか」
「あの、お話を聞きたいとお聞きしましたが」
「ええ。事故のことを。ですが、今日はもうお帰りになられたほうがいい。もし何かあったときにはこちらに連絡を」
獄寺が綱吉の言葉に名刺を差し出す。その名刺をヴェニアは受け取る。綱吉の後ろにはさきほど到着したヴェニアの迎えが待っていた。
「ええ。では私はこれで」
ヴェニアが一歩引いて病室内に綱吉を通す。そのまま礼をとって彼女が退室すると、綱吉はほっと肩の力を抜いた。
病室の真っ白なベットには一人の男が横たわっていた。
中学時代よりも精悍な体躯。鍛えていることがわかるその体は、今は白い病院用衣服を着せられていた。
綱吉を見つけた山本は、不安そうな顔をパッと輝かせた。
「ツナ?」
けれど、それは一瞬。再び不安そうな表情をした山本は綱吉の名前を呼ぶ。
「山本? 大丈夫?」
「まったく、ふらふらしてたからだろうが。出かけるなら護衛くらい……」
ぶつぶつと獄寺が言いながらも、ほっとした表情をしたときだった。山本のまとう雰囲気が変わった。獄寺もそれを感じて言葉を止める。山本は不安そうな表情はそのままに、戸惑うような声を空気中に落とした。
「えっと、だれ?」
――――
P5~9より抜粋
♀獄/P82/文庫/\700
記憶を失った山本。夢に出てくる人間は誰だ。
PR